令和元年度研修会は「憲法と人権」、格調高く、真に恐れ多くて気が引けるタイトルでした。
でも、案内のチラシには、「歌あり、寸劇あり、何が飛び出すか分からない。グループワークもあり、身近な生活の中の人権を考える」とあった。講師である岩手大学准教授の菊地洋さん、チラシ上では憲法学者らしからぬ風貌で、どこかお堅くない雰囲気がありました。
新型コロナウィルス感染拡大防止で全国的にはイベント等の自粛が叫ばれる中、数少ない感染の空白地域でもあり、熱心な参加者も多く、さらには情報保障ありと本格的な研修会でした。
いよいよ講座が始まると、「ん?、先生の声が上ずってる?」。「それとも掴みでわざと?」。ちょっと高いトーンにハスキーボイスで話が始まりました。
意表を突かれ、いきなり、「憲法とは何ですか?」と当てられてしまう。とっさに頭に浮かんだのが韓国ドラマ、もう私の頭の中はいきなりドラマの世界になってしまった。
それからは先生の独壇場、かんかんがくがく(侃々諤々)、国会で議論をしてお金をもらっているのが国会議員というフレーズやら、端々にジョークを交えるも真面目な受講生はなかなか反応しない。 一方で、様々な手作りの小道具を用いて言葉だけでなくイメージ掻き立てながら紐解く教え方のため、睡魔に襲われるような心配もなく、学生時代を思い起こさせる憲法論議がすすむ。
究極は、先生が準備されてきた「金色の冠に赤いマントを羽織って登場するド派手な王様の役目」を、仰せつかったこと。言われるがまま廊下で身支度、入室の途端に会場が大笑い、今度は、「王様のつもりで、どんなわがままな要求でも構わないから、会場の聴衆に言え」、と先生がのたまう。
それではとばかりに調子乗って「祝儀にお金でもくれ」と言うと、待ってましたと言わんばかりに、何と、「憲法という名の手錠」をかけられることに。「そういう理不尽な要求にはこうする!」、と。
ブレイクタイムには、憲法で保障されている9つの「自由」について、大切な順にランク付けして、模造紙に書き下ろせとおっしゃる。このグループワークは、それこそ喧々諤々しながら挑みました。
そんなこんなで、あっという間の講座でしたが、最後にとっておきのものがありました。
何ともユニークな替え歌ソング、そう、お歌を聴かせていただきました。いろいろレパートリーをお持ちのようでしたが、時間の都合で1曲のみの披露に留められてしまい、名残惜しいくらい。
先生の個性豊かな講義、飽きさせない努力、本当にありがたく拝聴させていただきました。
(担当:Y)